健命寺(野沢温泉)概要: 薬王山健命寺は長野県下高井郡野沢温泉村大字豊郷大湯に境内を構えている曹洞宗の寺院です。健命寺の創建は永禄11年(1568)に薬師如来像(本尊:伝承によると聖徳太子が自ら彫り込んだと伝えられているそうです。)、十二神将像を安置したのが始まりと伝えられています。天正2年(1574)に当時の領主市川新六郎(武田家側の武将)が南堂正舜大和尚(現在の新潟県南魚沼市にある雲洞庵の僧)を招いて中興開山し山号を傑湯山に改称(後に現在の山号:薬王山に改称)、寺領7石を安堵しています。文禄2年(1593)に現在地に移りましたが天和元年(1681)の火災により多くの堂宇が焼失し、翌年天和2年(1682)に再建されています。
又、健命寺は野沢菜発祥の地として知られ、宝暦6年(1756)、当時の住職晃天園瑞が京都から天王寺蕪の種を持ち帰り蒔いたところ現在の野沢菜に変異したと伝えられています(諸説あり)。現在の本堂は文化2年(1805)に再建されたもので寄棟、金属板葺、桁行10間、梁間8間、正面一間唐破風向拝付、向拝には後藤政綱が手掛けた精緻な彫刻が施されています。薬師堂は2層宝形造、桁行3間、梁間3間、正面1間唐破風向拝付、内部には上杉謙信の守本尊と伝わる薬師瑠璃光如来が安置されています。山門は三間一戸、入母屋、銅板葺、八脚楼門。境内にはその他にも総門、鐘楼、庫裏などが建ち並び古寺の雰囲気がたちこめています。宗派:曹洞宗。本尊:薬師如来。
|