乙事諏訪神社(富士見町)概要: 乙事諏訪神社は長野県諏訪郡富士見町乙事に鎮座している神社です。乙事諏訪神社の創建は室町時代の延徳2年(1490)に御別当明神を祭ったのが始まりとされます。諏訪大社と関係が深く、文禄2年(1593)に諏訪大社の社殿が再建されたのに伴い、旧社殿が当社に遷されたと伝えられています。文化8年(1811)に諏訪明神の分霊が勧請され、天保4年(1833)に再び諏訪大社社殿の造替が行われると、嘉永2年(1849)に神前建物(幣拝殿)が当社の幣拝殿として移築されています。当初は乙事村の産土神として信仰されてきた上社と、乙事村名主の五味太郎左衛門家の氏神として信仰されてきた下社とありましたが、その後合祀され、昭和25年(1950)には社殿が合併されています。
乙事諏訪神社幣拝殿は元和3年(1617)に諏訪大社神前建物(幣拝殿)として造営されたもので、拝殿は桁行1間、梁間1間、一重、向唐破風造、銅板葺。幣殿は正面1間、一重、切妻造、銅板葺、棟梁:原五左衛門親成、江戸時代初期の社殿建築の遺構として大変貴重な事から昭和25年(1950)に国指定重要文化財に指定されています(昭和5年:1930年に旧国宝に指定)。現在の本殿は文政2年(1819)に下社本殿として造営されたもので、一間社流造、銅板葺き(旧こけら葺き)、正面軒唐破風、棟梁:小池佐兵衛泰定、江戸時代後期の神社本殿建築の遺構として貴重な事から平成18年(2006)に富士見町指定文化財に指定されています。祭神:建御名方命 。
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