嶺頭院(箕輪町)概要: 大平山嶺頭院は長野県上伊那郡箕輪町大字中箕輪に境内を構えている曹洞宗の寺院です。嶺頭院が何時頃から信仰されているのかは不詳ですが、後年編纂された寺伝によると室町時代の明応2年(1493)に福与城の城主藤原氏が開基となり台厳呑鏡和尚により開山したのが始まりとされます。当初は域安寺と称し藤沢頼親の守る福与城の近くに境内を構えていましたが天文14年(1545)に武田信玄の信濃侵攻により落城すると衰微し、永禄3年(1560)に藤沢頼親が改めて田中城を築くと、城下に移され寺号を箕輪山城安寺に改称しています。慶長5年(1600)に当地域が天領(幕府直轄領)となり、伊那代官に就任した朝日受永が慶長6年(1601)に朱印状を発布し寺領6石が安堵されています。
慶長17年(1612)に木下陣屋が設けられ陣屋町が整備されると現在地に遷されています。山門は弘化元年(1844)頃建立されたもので、入母屋、銅瓦棒葺、三間一戸、八脚楼門形式、下層部両側には仁王像が安置され、上層部外側には高欄が廻り、開口部には格子のみで吹き放しになっています。嶺頭院楼門は江戸時代後期に建てられた楼門建築の遺構として貴重なことから昭和53年(1978)に箕輪町指定有形文化財に指定されています。本堂は入母屋、銅板葺、桁行9間、正面唐破風向拝付。鐘楼は切妻、桟瓦葺。宗派は曹洞宗。本尊は釈迦如来像。
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