【 本陣(安川家住宅) 】−小田井宿の本陣は代々安川家が勤め、幕末の文久元年(1861)には皇女和宮が下向の際には昼食の為、当家を利用したそうで、給士として和宮の御世話をした幼少時の安川時太郎には人形を拝領しています。皇女和宮拝領人形は高さ8.3cm、幅6.7cm、奥行5.5cm、可愛らしい童子を模した意匠にも優れたもので貴重な事から平成15年(2003)に御代田町指定有形文化財(歴史資料)に指定されています。分家である安川八郎右衛門家は小田井宿の上の問屋と勤めており安川家一族が小田井宿の支配層だった事が窺えます。又、文化6年9月19日(1809年10月27日)の伊能忠敬による第七次測量では本陣安川家で昼食がとられています。
宝暦6年(1756)に建てられたと推定される客室棟は木造平屋建て、切妻、桟瓦葺き、内部は式台・広間(20畳)・三の間(12畳)・二の間(8畳)・上段の間(8畳+床の間+棚)・入側(5畳+5畳)などがほぼ原形のまま残っています。又、幕末に皇女和宮が利用する事が決定すると湯殿と厠(大便用・小便用、共に畳2帖敷)が修築されています。表門は切妻、桟瓦葺き、一間一戸、四脚門、潜り戸付き。正面の土蔵は土蔵造り2階建て、切妻、桟瓦葺き、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は下見板張り。小田井宿本陣は中山道に残る数少ない本陣建築の遺構を残す貴重な存在で御代田町指定史跡に指定されています。
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