旧馬島家住宅(伊那市高遠町)概要: 旧馬島家住宅は伊那市高遠町東高遠に位置している古民家です。馬島家は享保(1716〜1735年)の頃から幕末にかけて高遠藩(藩庁:高遠城)の眼科の御殿医だった家柄で一般的な武家屋敷の間取りの他に調薬室(診察室)を設けるなどの特徴を持っています。馬島家住宅は江戸時代後期の天保年間(1830〜1843年)に建てられた武家住宅で、内部は玄関(式台付)、寄付、寄附、次之間(床の間付)、鑓之間、座舗(床の間、棚付)、居間(中床付)、上之間(床の間付)、茶之間(囲炉裏付)、土間、味噌部屋、流シ間などで構成され床下からは2本の徳利と人骨、約25cm四方の木箱(内部に胞衣)が発見されており、当地方の産育儀礼の痕跡としても注視されています。
馬島家住宅は木造平屋建て、切妻、鉄板葺、妻入、本棟造り、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、長野県内に残る数少ない上級武家住宅の1つで藩医という特殊な役柄をもっていたことから医学史料的にも貴重で平成15年(2003)に長野県の県宝に指定されています。現在は伊那市高遠町民俗資料館として一般公開されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-伊那市教育委員会
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