春原家住宅(東御市)概要: 春原家住宅は長野県東御市和に屋敷を構えている古民家です。春原家は江戸時代初期には当地に土着し代々庄屋を勤めていた家柄で慶安、元禄の頃には苗字が許されていました。建築年は不詳ですが構造や工法、開口部も限られた最小限の広さしかなく、居室も間仕切りには建具などを使用せず壁を多用して閉鎖的、柱が1間間隔、軒が低いなどから17世紀後半の元禄年間(1688〜1704年)頃に建てられたものと推定され、長野県内では最も古い年代の農家建築の1つとされます。
春原家住宅は木造平屋建て、寄棟(棟中央部に煙り出し付)、茅葺、平入、桁行き10.5間(約19m)、梁間4.5間(約8m)、外壁は真壁造り、土壁鏝押え、建坪は40数坪あり当時の農家建築と比べるとかなりの大型で床の間があるなど格式の高さも感じられます。内部は東側6間分が土間(ダイドコ:厩付)で建物の全体の6割を占める程広大で、土間に接する床上部は茶の間(チャノマ)、その北側(ネドコ・キタノマ)と西側(ザシキ・オヘヤ)に2室づつ部屋が配されています。春原家住宅は江戸時代中期に建てられた数少ない大型上層農家建築の遺構として大変貴重な存在で昭和48年(1973)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-東御市教育委員会
|
|