旧千国家住宅(牛方宿)概要: 旧千国家住宅旧糸魚川街道(千国街道:塩の道)沿いにある建物で当時は牛方(牛を使って荷物を届ける運搬業者)やポッカ(歩荷:人間が重い荷物を担いで届ける運送業者)が利用しました。建築は18世紀末から19世紀初頭に建てられたと推定され、木造平屋建、間口(正面)6間、奥行10間、茅葺、寄棟、妻入、外壁は板張、正面は半間分内側に外壁を設けて、日本海側の町屋建築で見られる「こみせ」や「雁木」と呼ばれるな空間構成をしています。内部は座敷前に畳敷きの玄関が設置されるなど格式の高い建物で土間を広く取り牛馬が利用したと思われます。旧糸魚川街道(千国街道)に残る数少ない建物(牛方宿としては唯一)の1つで何度か改修が行われているものの大きな変化が少ない貴重なものとして平成9年(1997)に小谷村有形文化財に指定され、平成21年(2009)に長野県の県宝に指定されています。
現在は元治元年「千國又兵衛家相図」を参考にして当時の姿に戻され内部は資料館として一般公開されています。又、敷地の西側には土蔵(土蔵造2階建、切妻、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は板を張り外壁を保護)が現存し内部を塩の道ギャラリーとして再利用され公開されています。
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