牛方宿(小谷村)概要: 沓掛にある馬方衆の集落で当時は牛馬と牛方(牛を一度に数頭程度引き連れた運搬業者)が同じ宿で泊まる牛方宿が数多く存在しました。明治時代中期頃になると近代交通網が整備され、運搬形態も変化し牛方による運搬が激減した為、多くの牛方宿は失われ現在は旧千國家住宅(長野県の県宝)のみが残されています。千国街道は難所となる峠道が多かった事から、坂道に強く俵4俵分を運ぶ事が出来る牛を利用しての運搬が発展しました。平坦の道では馬の方が断然速いのですが、馬は峠道には弱く、峠道の多い糸魚川宿、千国宿の間は牛を利用し、千国宿から松本城下までは、比較的平坦だった為、馬に積み替え時間短縮を図ったとされます。又、冬場は雪が深い為、牛も馬も利用出来ず、ボッカと呼ばれる人夫が物資を運びました。旧千國家住宅の敷地内には江戸時代末期に建てられたと推定されている塩倉が大綱集落から移築保存され、この塩倉は糸魚川街道(千国街道:塩の道)に残る唯一のもので、桁行2.1間、梁間3間、切妻、妻入り、基礎石積の板倉建物で平成12年(2000)に小谷村有形文化財に指定されています。
千国街道(塩の道:松本街道・糸魚川街道):宿場町・再生リスト
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