山神社(安曇野市)概要: 長野県安曇野市堀金烏川に鎮座している神社です。創建は不詳ですが、以前は烏川の上流(牧村)に鎮座していた神社が大洪水により大破し、当地に流れ着いた社殿の用材を再利用し須佐渡山神社の社殿としたのが始まりと伝えられています(祠が流れ着いたとの伝承もあります)。その後、岩原村・上堀村・下堀村・田多井村・田尻村の産土神として篤く信仰され、昭和38年(1963)以降は岩原地区の鎮守となり社号を砂渡山神社に改めています(烏川谷の入会林野に関わった23カ村からも信仰されました)。
安産に御利益がある事でも知られ、山神社の氏子が住む村で太助と梅の伝説が伝えられています。伝説によると一度流産した梅は、この村に行商で訪れた男から穴が開いた柄杓を奉納し安産祈願を行い、念願成就したら新しい柄杓を奉納すると御利益がある事を聞いたそうです。早速、梅は行商の男から柄杓を買い、太助と共に言われたように柄杓に穴を開けて山神社に祈願奉納すると、見事念願願成就し産婆が要らないほどの安産で可愛い男の赤ん坊が生まれたと伝えられています。
毎年4月第4土曜・日曜の開催される「お舟祭り」は、安曇野市内の神社で行わる数多くの「お舟祭り」の中でも唯一担ぎ舟で、「お舟祭り」の原型とも云われています。江戸時代に当地域の大庄屋だった山口家の近くにある「舟張り場」で舟を組立、創建時に社殿(祠)が流れ着いた場所と伝わる「船着き場」にある「センドイシ(舟渡石)」を3周し、最後は山神社境内の坂から舟を落とし壊わします。「岩原山神社のお舟祭り」は貴重な事から安曇野市指定無形民俗文化財に指定されています。
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