熊野神社(安曇野市)概要: 熊野神社は長野県安曇野市三郷明盛中萱地区に鎮座している神社です。 熊野神社の創建は白雉元年(650)、貞享騒動(加助騒動)を主導した多田加助の祖先が熊野新宮(熊野速玉大社:和歌山県新宮市新宮)の分霊を勧請したことが始まりと伝えられています。以来旧中萱村の産土神として歴代領主からも信仰され、文禄年間(1593〜1596年)には松本城の城主石川康長により社領4石が安堵されています。「貞享義民騒動」では農民達の心の拠り所として何度も会合が行われた場所でもあります。明治時代初頭に発令された神仏分離を経て郷社に列しています。御祭神:伊弉冊尊、速玉男命、泉津事解男命、素盞鳴尊。
現在の熊野神社本殿は寛永14年(1637)に大破後に再建されたもので三間社入春日造、銅板葺(元こけら葺)、明治40年(1907)に合祀された八坂神社本殿は江戸時代に建立され一間社流造、銅板葺(元こけら葺)共に本殿建築の遺構として貴重な事から平成5年(1993)に安曇野市指定有形文化財に指定されています。
熊野神社には数多くの絵馬が奉納されており、天保4年(1833)奉納された「花鳥の図」、天保7年(1836)に奉納された「金太郎と山姥の図」、嘉永5年(1852)に奉納された「武者絵・力比べ」、安政4年(1857)に奉納された「巴御前の図」、明治22年(1889)に奉納された「大江山酒呑童子の図」、明治22年(1889)に奉納された「鎌倉大評定の図」、明治31年(1898)に奉納された「素戔鳴尊八岐大蛇退治の図」、奉納年不詳の「福禄寿の図」が平成20年(2008)に安曇野市指定有形民俗文化財に指定されています。
毎年8月最終土曜・日曜日の熊野神社例祭で行われる「お船祭り」は明治時代以降の祭事で、長野県最大級の長さ約14m、高さ約8mのお船が練り歩く壮大なもので平成21年(2009)に安曇野市指定無形民俗文化財に指定されています。
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