長光寺(安曇野市)概要: 長光寺は長野県安曇野市明科光に境内を構えている高野山真言宗の寺院です。長光寺は以前、裏山の頂上付近にありましたあが兵火により堂宇が焼失し天正10年(1582)に秀恵僧都が現在地に移し境内を整備しました。
元禄時代の記録には本堂や客殿、庫裏、薬師堂、山門など伽藍がありましたがその後、荒廃し本堂と薬師堂だけになり、昭和54年(1979)に本堂が解体された事で当時の遺構は薬師堂のみになってしまいました。
薬師堂は元禄16年(1703)に建てられた御堂建築で寄棟、金属板葺き(元茅葺)、三間四面、棟梁金原作助、内部には貞亨元年(1684)に建立された宮殿が安置されています(棟梁の金原作助は大町市に鎮座している若一王子神社の三重塔と観音堂を手掛けた名工として知られ、若一王子神社との類似性が窺えます)。
宮殿内部には鎌倉時代末期から室町時代初期に制作されたと推定される薬師如来坐像(像高42cm、一木造り、檜材、彩色、彫眼)が納められ60年に一度御開帳が行われます。
現在の本堂入口上部に掲げてある臥竜彫刻は江戸時代後期の文政7年(1824)立川和四郎富昌作、旧本堂の水引虹梁に嵌め込まれたもので、長さ220cm、高さ35cm、厚さ27cm、欅材、一木造。
長光寺薬師堂、木造薬師如来坐像、木造臥竜彫刻は貴重な事から平成20年(2008)に安曇野市指定有形文化財に指定されています(薬師堂は平成23年:2011年に長野県の県宝に格上)。宗派:高野山真言宗。
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