金松寺(松本市)概要: 金松寺は長野県松本市梓川梓に境内を構えている曹洞宗の寺院です。金松寺の創建は不詳ですが戦国時代、境内周辺は小笠原氏と武田氏の激戦地で、金松寺はその兵火により堂宇が焼失し一時荒廃しましたが、弘治2年(1556)に武田信玄(当時は晴信)によって再興されました。
天正10年(1582)に武田家が滅亡すると小笠原貞慶は密かに金松寺に入り旧臣を集め領主復権を画策しましたが、結局上手く行かず京都に引き上げています。
同年に本能寺の変が発生し織田信長が横死すると小笠原貞慶は徳川家康の協力を得て当地の領主に復権し、金松寺に安曇郡西牧の地を寄進しています。
金松寺境内は広く多くの石像が安置され正面の鐘楼門(入母屋、銅板葺、三間一戸、八脚楼門、上層部は柱のみの吹き放しの鐘撞堂)が威厳を保っています。本堂は入母屋、銅板葺、平入、桁行5間、正面3間軒唐破風向拝付、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、内部の内陣には本尊である聖観世音菩薩像が安置されています。
寺宝である金松寺前立本尊聖観世音菩薩は鎌倉時代に制作されたもので檜材、寄木造り、像高155p、漆塗、彫眼、貴重な事から平成19年(2007)に松本市指定重要文化財に指定されています。宗派:曹洞宗。本尊:聖観世音菩薩。
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