中山道・木曽路・上松宿

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中山道・木曽路・上松宿
【 概 要 】上松宿は天文2年(1533)に木曽義仲から17代目の木曽義在が領内の馬籠宿(岐阜県中津川市)から洗馬宿までの街道(木曽路の前身)を整備した際に宿場町として成立したと推定されています。その後、19代木曽義昌の弟である木曽義豊が当地(上松氏館)に配されると、義豊は地名因み上松蔵人と称し天正10年(1582)に行われた鳥居峠での武田勝頼との戦いでは大きく貢献しています。また、上松氏館の麓には義在の弟とされる玉林和尚が玉林院を創建し、源氏の氏神である八幡神社を勧請しています。天正18年(1590)に義昌が徳川家康の関東移封に伴い下総国海上郡阿知戸領(現在の千葉県旭市)に移されると義豊も従い上松の地を離れ館も配されています。因みに義豊は義昌の跡を継いだ木曽義利と対立し、慶長年中(1596〜1600年)に殺害、この問題を重く見た徳川家康は慶長5年(1600)に義利を改易にして、大名家としての木曽氏は没落しています。

慶長7年(1602)に中山道(木曽路)が幕府により正式に開削されると上松宿は69次中38番目、江戸日本橋から72里3町24間先の宿場町として整備され、元文元年(1615)以降は尾張藩(愛知県名古屋市:本城ー名古屋城)の支配となています。上松周辺には木曽産の天然木が豊富だったものの、江戸時代初期に全国的に城郭の築城や城下町の建設、庶民の生活向上などの結果、山林の荒廃が進み寛文3年(1663)から寛文4年(1664)に尾張藩が調査した結果、予想以上の荒廃を目の当たりにした事から、それを重視した尾張藩は寛文5年(1665)に上松宿に木材役所を設置し、特に木曽五木と呼ばれたヒノキ・サワラ・アスナロ・コウヤマキ・ネズコは厳重に管理されました。上松宿は上町、本町、仲町、下町の4町で構成され、本陣は藤田九郎左衛門家、脇本陣(総庄屋、問屋役)は原家が代々その職務を歴任しています。江戸時代後期の天保14年(1843)に記録された「中山道宿村大概帳」によると上松宿には本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠35軒、問屋2軒、家屋266軒、人口2482人だった事が判ります。昭和25年(1950)の火災により上松宿の多くの建物が焼失しましたが上町だけが焼失を免れ、伝統的な町屋建築が残る町並みを見る事が出来ます。又、上松宿周辺には景勝地が多く、木曽八景のうち、「寝覚の床」、「木曽の桟」、「小野の滝」が点在しています。

上松宿:見所

玉林院
□−玉林院

玉林院は戦国時代の天正年間に、当時の領主木曽義元の2男玉林が開山した寺院です。境内背後には木曽義康の2男上松蔵人義豊が築いた上松館(町指定史跡)がある事からも木曽氏縁の地だった事が窺えます。楼門は上松町指定文化財。
寝覚の床
□−寝覚の床

寝覚の床は木曽路の中では随一の景勝地とされ木曽八景に数えられています。多くの文人墨客の作品の題材にもなり、国指定名勝に指定されています。又、寝覚の床には昔話で有名な浦島太郎がこの地で玉手箱を開けたとの伝説が伝えられています。
小野の滝
□−小野の滝

小野の滝は木曽路の中でも名瀑として知られ木曽八景にも数えられました。江戸時代に歌川広重と渓斎英泉によって製作された「中山道六十九次」の上松宿の風景には小野の滝が描かれています。その風景には細川幽斉も感嘆しています。
十王堂の石仏群
□−十王堂の石仏群

上松宿の北端に位置し、元々は十王堂が建立されていましたが、江戸末期の慶応3年(1867)に大洪水により十王堂が大破、祭られていた石仏も姿を消しました。それから昭和に入り、偶々川縁から発見された為、元の近くに安置されました。
一里塚
□−一里塚

本町一里塚は上松宿本町の角(枡形・鍵方)を曲がった中町の入口付近に左右2基が設置され、南に向って右側を下の山、左側を上の山と呼んでいたそうです。本町一里塚は江戸日本橋から72里、京都三条大橋から65里にあたります。
本陣
□−本陣

上松宿の本陣は代々藤田九郎左衛門家が歴任し、明和3年(1766)には玉林院の山門造営に尽力、文化6年(1809)の第7次伊能忠敬測量で忠敬が宿泊、文久元年(1861)11月2日に皇女和宮が江戸降嫁の際に宿泊しています。

木曽路:宿場町

贄川宿
右
木曽平沢
右
奈良井宿
右
藪原宿
右
宮ノ越宿
右
福島宿
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上松宿
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須原宿
右
野尻宿
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三留野宿
右
妻籠宿
右
大妻籠
右
馬籠宿
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