井出家住宅(佐久市)概要: 井出家住宅(座敷)は長野県佐久市臼田に位置します。井出家は江戸時代初期に名主を勤めた家柄で、代官が領内巡視などこの地を訪れた際には当家で宿泊、休息したそうです。井出家座敷は代官など身分の高い人が利用することを目的に江戸時代中期に建てられた書院造りの建物で、木造平屋建て、切妻、銅板葺き、外壁は真壁造り、土壁鏝押え、棟飾りは雀おどし(雀踊り)、本棟造り、桁行11.85m、梁行9.04m、建坪約90坪余、内部は、取次(3畳)、式台付玄関、広間(中の間:16畳、床の間付)、座敷(書院:8畳、違い棚、床の間付)、鍵の間(3畳)、入側(11畳)などで構成され座敷の欄間には精緻な透かし彫りが施されているなど格式の高い意匠が採用されています。敷地内には主屋の他、表門(切妻、鉄板葺き、一間一戸、真壁造り)や土蔵(切妻、桟瓦葺き)などが残されています。江戸時代中期の書院建築の遺構として貴重な事から昭和50年(1975)に長野県の県宝に指定されています。
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