鼻顔稲荷神社(佐久市)概要: 鼻顔稲荷神社は長野県佐久市岩村田花園町に鎮座している神社です。鼻顔稲荷神社の創建は戦国時代の永禄年間(1558〜1569年)、望月源八らが京都の伏見稲荷の分霊をこの地に勧請し商売繁盛を祈願したことが始まりと伝えられています。勧請された当初、この地は鼻顔(現在は花園町)と呼ばれていた事から何時しか鼻顔稲荷神社と呼ばれるようになりました。
御利益の噂は瞬く間に広がり、広く信仰を集めるようになると伏見稲荷大社(京都府京都市伏見区深草藪之内町)、祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市古枝)、笠間稲荷神社(茨城県笠間市笠間)、豊川稲荷(円福山豊川閣妙厳寺:愛知県豊川市豊川町)と共に日本五大稲荷神社に数えられました。
鼻顔稲荷神社の境内は湯川によって浸食された崖地にあり社殿は京都清水寺などに見られる懸崖造。旧本殿は崖の岩肌に組み込まれている小殿であることからも元々自然崇拝的な信仰があったのかもしれません(現在の本殿は拝殿内部に安置されている一間社、入母屋、妻入、檜皮葺、正面軒唐破風の小殿)。その後は社殿の増築、境内の整備が進み、他の神社には無い不思議な空間となっています。
鼻顔稲荷神社の主祭神は宇迦御魂神。配神は大宮姫命・猿田彦命。宇迦之御魂神は生産、五穀豊穣の神、大宮姫命は産業、市場の神、猿田彦神は道を司る神、であることから商売繁盛の他にも養蚕や学徳成就、交通安全などにも御利益があるそうです。毎年2月11日の例祭である初午祭では参道に多くの露店が軒を連ね多くの信者や参拝者達が鼻顔稲荷神社を訪れます。
又、大正14年(1925)には若山牧水、昭和11年(1936年)には種田山頭火など文人墨客も数多く鼻顔稲荷神社の参拝に訪れており、境内には井泉水句碑(空をあゆむろうろうと月ひとり)や山頭火句碑(浅間をむかうに深い水を汲みあげる)、山室 静「故郷」の碑などが建立されています。本社:伏見稲荷大社。
懸造を簡単に説明した動画
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