佐久市: 安養寺

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概要・歴史・観光・見所
安養寺(佐久市)概要: 宝林山安養寺の創建は弘安年間(1278〜1287年)、又は正応年間(1288〜1292年)、後深草上皇の勅願により心地覚心が創建した臨済宗妙心寺派の寺院です。当初は信濃国佐久郡下平尾村に境内を構えていましたが貞治年間(1365頃)、法灯円明国師無本覚心(中国で味噌作りを学び信州味噌を考案した人物、安養寺は「信州味噌発祥の地」とも云われてます。)の遺言で正眼智鑑禅師が現在地に遷して中興開山しています。中世、長く当地を支配した大井氏から庇護され、その縁から足利持氏の子供である永寿王丸を安養寺で密かに匿い、永寿王丸が足利成氏として鎌倉公方(後に古河公方)に就任すると寺領3千5百石が寄進されています。

安養寺の寺運も隆盛し最盛期には末寺231寺を持つ巨刹として栄え、大井氏が没落後も武田家の庇護となり、天文19年(1550)には武田信玄が寺領526石を寄進し堂宇の修復が行われています。戦国時代の兵火により境内が大きな被害を受け衰微し、その後に領主となった徳川家康から寺領20石を安堵されたものの、往時には及びませんでした。佐久平三十三番観音第6番札所(札所本尊:千手観世音菩薩)。山号:宝林山。宗派:臨済宗妙心寺派。本尊:阿弥陀如来。

安養寺の寺宝である木造阿弥陀如来坐像及び両脇侍立像は鎌倉時代前期に制作されたもので、寄木造、桧材、像高(中:68.7cm、左84.5cm、右84.5cm)、漆箔、平成6年(1994)に長野県指定県宝に指定されています。木造伝法燈国師坐像は南北時代に製作されたもので、寄木造、桧材、像高127.4cm、座高82.4cm、平成22年(2010)に長野県指定県宝に指定されています。版本大般若経は元々は水内郡野尻湖琵琶島弁財にあったものを永禄年間(1558〜1570年)の兵乱で武田信玄が持ち帰ったものを安養寺に寄進したもので縦25.7cm、横17.3cm、折本仕立、577巻、昭和63年(1988)に長野県指定県宝に指定されています。又、安養寺は武田勝頼の書状や仙石秀久寄進状など数多くの古文書を所有しており昭和62年(1987)に佐久市指定有形文化財に指定されています。山門は入母屋、鉄板葺き、三間三戸、八脚楼門。本堂は木造平屋建て、寄棟、鉄板葺き、平入、桁行7間、外壁は真壁造白漆喰仕上げ。

【 安養寺:菩提者(大井氏) 】−大井家は鎌倉時代初期に小笠原長清の7男朝光が、信濃国佐久郡大井荘の地頭として就任し、地名に因み大井氏を称したのが始まりとされます。鎌倉時代後期の佐久郡は同じ小笠原家一族で伴野荘の地頭、伴野氏が小笠原家惣領職を担い大きな影響力がありましたが、弘安3年(1280)の「霜月騒動」により主要一族が自刃に追い込まれ、改易になった為没落し、変わって大井氏の影響力が強まります。南北朝の動乱では足利尊氏が率いる北朝方に与した為、南朝方から標的となり、居城である大井城は落城するなど当初は苦戦が続きました。やがて、南朝方の有力武将が次々に討死すると北朝方が有利に展開し、大井氏は信濃守護代を担い、新たに太田荘大倉郷が与えられなど地位の確立と、領土拡大を果たしています。その後、復権を果たした伴野氏との抗争が激化し、文明11年(1479)には大規模な戦闘に至り大敗北を喫してしまいます。この敗北をきっかけに、伴野氏や村上氏が台頭し、文明16年(1484)、村上氏の侵攻を受けた大井城は落城し、大井氏は没落します。その後、一族の一部が村上氏に従属する事で存続が許され、大井城に入りますが、村上氏が武田信玄の侵攻により没落すると、武田家に下り、武田家が滅ぶと四散しています。

安養寺(長野県佐久市)は大井家は朝光から6代にかけての菩提寺で、信濃守護代を担った大井氏の庇護により当地域を代表する巨刹として知られました。永享10年(1438)に発生した永享の乱では室町幕府と対立し敗れた足利持氏が大井氏を頼り、嫡子永寿王丸を預け、大井氏は菩提寺である安養寺に密かに匿ったとされ、現在でも永寿王丸、縁の品々が伝えられているそうです。その後、永寿王丸は第5代鎌倉公方足利成氏として復権を果たし、感謝の意から安養寺には多大な寺領が寄進され、さらに大寺院として発展しました。

安養寺:写真

安養寺
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