えんま堂(野沢温泉)概要: えんま堂の建築年は不詳ですが、かなり古い年代に建てられたもので大正時代に大改修されました。木造、平屋建、入母屋、元茅葺、桁行2.5間、梁間2間、壁には10体の十王像が安置されています。入り口には戸が無く誰でも参拝できるような構造で、当時は子供の遊び場などにもなっていたそうです。えんま堂は古くからの十王堂建築の形態を現在に伝える貴重な遺構として野沢温泉村指定文化財に指定されています。十王信仰とは、人が死ぬと成仏する前に10人の王から生前の正悪が判定されるという教えで、秦広王(しんこうおう)、初江王(しょこうおう)、宋帝王(そうていおう)、五官王(ごかんおう)、閻魔王(えんまおう)、変成王(へんじょうおう)、泰山王(たいざんおう)、平等王(びょうどうおう)、都市王(としおう)、五道転輪王(ごどうてんりんおう)が所謂裁判官に当たります。一般的に人が死ぬと葬式以外にも初七日や一周忌、三回忌等、様々な法要が行われますが、その都度、1人の王の裁きが行われる為、成仏するには計10回の法要が必要な事になります。
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