麻釜(野沢温泉)概要: 麻釜(大釜・丸釜・ゆで釜・竹のし釜・下釜)は野沢温泉の象徴のような存在で古くは釜潭(熱湯のたぎるふち)と呼ばれていました。江戸時代に入り、この源泉を利用して麻の皮むきをした事から麻釜と呼ばれるようになったとも言われ、現在の野沢温泉の特産品である蔓細工に引き継がれています。麻釜は高温の為一般的には入浴には利用されず野沢菜や野菜類を洗ったりと地元住民が利用し、温泉の温度の差から様々な使用用途があったそうです。泉質はは弱アルカリ性硫黄泉で、湧出量が毎分約500リットルと豊富な為、野沢温泉の外湯(共同温泉)である麻釜の湯、上寺湯、松葉の湯、十王堂の湯、秋葉の湯、新田の湯、中尾の湯に供給しています。麻釜は古くからの形態を継承し景観的も優れている事から昭和54年(1979)に野沢温泉村指定名勝に指定されています。
案内板による各釜の特徴
・ 大釜-二ヶ所の湧出口をもち、90度の熱湯が湧出する。高温のため茹物に適し、山菜、野菜等を茹でる。
・ 茹釜-温度90度、2つの湧出口を有し、大釜と同様山菜など食品類を茹でる。
・ 円釜-現在は方形であるが、下は円形であったためこの名が生じた。温度は71度で、工芸品の材料である根曲竹や、あけび蔓柳条を浸し、 養蚕の盛んな時代には蚕具の消毒にも利用した。
・ 竹伸釜-東側の大石下から湧出し、温度は80度。円釜と同様に利用されている。
・ 下釜-南方に一列をなして湧出するが、ガスが多い。温度は85度。
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