湯沢神社(野沢温泉)概要: 湯沢神社の創建は不詳ですが古くから野沢温泉の総鎮守・産土神として信仰されてきた神社です。祭神は諏訪大社(長野県諏訪湖周辺に鎮座)と同神である建御名方命で、近くにある道祖神神社付近に降臨したと伝えられています。湯沢神社は寛文3年(1663)に火災により焼失し元禄2年(1689)に再建、さらに明和2年(1765)に再建されたのが現在の社殿です。拝殿は入母屋、銅板葺、桁行4間、梁間3間、平入、正面に1間の唐破風向拝、向拝の精緻な龍、鳳凰、獅子、鯉などの彫刻は作風から江戸時代中期に活躍した岩崎嘉市良重則(越後国頚城郡出身の工匠)とその一門が手掛けたものと推定され、入口正面には明治政府の元勲三条実美の揮亳による扁額が掲げられています。本殿は覆屋内部にある為不詳ですが18世紀前期に造営され、一間社流造、こけら葺き。境内が隣接している事から隣の健命寺とは神仏習合していたようですが明治時代初頭に発令された神仏分離令後の明治6年(1873)に郷社に列しています。
湯沢神社の社殿は江戸時代中期の神社社殿建築の遺構として貴重なことから平成9年(1997)に野沢温泉村指定文化財に指定されています。湯沢神社は篤く信仰された為、多くの奉納物を所有し、中でも嘉永7年(1854)に御台場石垣積の人足が奉納した額と明治17年(1884)に奉納された算額は平成20年(2008)に野沢温泉村指定文化財に指定されています。湯沢神社の例祭は「燈籠連れ」ともいい毎年9月8・9日の2日間行われ田彦のシメ切りの舞や、獅子舞、三十六歌仙などが奉納されます。42才、41才、40才の厄年の男性が「三夜講」と呼ばれる講を組織して、その講が祭りを計画運営し、その準備期間は3年に渡り、3年後に別の講に引き継がれていくそうです。湯沢神社例祭は平成7年(1995)に湯沢温泉村指定無形民俗文化財に指定されています。境内にある大杉は樹高38.5m、幹周5.35m、村内を代表する大木として貴重な事から昭和54年(1979)に野沢温泉村指定天然記念物に指定されています。
|