大妻籠(木曽路)概要: 大妻籠集落は妻籠宿と馬籠宿の間にある間宿で、小規模ながら昔ながらの町屋が連なる町並みが残っています。特に宿場町として制定されていなかった為、本陣や脇本陣が設置されませんでしたが隣接する橋場が木曽路(中山道)と飯田道(大平街道:南木曽〜大平峠〜三州街道飯田宿)との分岐点だった事もあり旅籠街としての需要があったものと思われます。現在でも近江屋・まるや・つたむらやなど民宿を経営されている町屋が数軒あり宿場町本来の雰囲気が感じられます。
建物の特徴としては木造2階建、切妻、平入、桟瓦葺、2階外壁の街道側正面を前に張り出し、1階の桁を外壁から延ばす事で2階の外壁を支える所謂出梁造りとなっています。又、2階外壁の両側は屋根より高く壁を掲げる本卯建、白漆喰仕上げで防火意識の高い建物が多く建ち並んでいます。大妻籠から少し離れた集落には17世紀中頃に建てられた藤原家住宅(長野県指定文化財)があり、大妻籠の旅籠建築と比べても面白いかも知れません。
大妻籠を越えると馬籠宿まで殆ど人家が無く、倉科七郎左衛門朝軌(当時の松本城の城主小笠原貞慶の重臣)の御霊を祀る倉科祖霊社や小説「宮本武蔵」の舞台となった男滝・女滝などが見所となっています。又、大妻籠を含む与川道〜妻籠宿〜馬篭峠の区間は当時の街道の様子を現在に良く伝えている事から平成8年(1996)び文化庁選定の「歴史の道百選」に選定され、妻籠宿が選定されている国の重要建造物郡保存地区の1地区に選定されています。
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