旧岡谷市役所庁舎(諏訪湖)概要: 旧岡谷市役所庁舎は長野県岡谷市幸町に位置する近代建築です。旧岡谷市役所庁舎は昭和11年(1936)に平野村が岡谷市に市制施行した際、製糸業で富を得た尾澤福太郎が私財を投じて建設し市に寄付したものです。昭和62年(1987)まで市役所の庁舎として利用され新庁舎移行に伴い消防所庁舎となっています。建物は鉄筋コンクリート造2階建、寄棟、瓦葺、建築面積792u、外壁はスクラッチタイル、正面玄関周りの外壁は人造石仕上げで化粧柱を模って屋上まで伸ばし、左右の丸窓と共に正面性を演出しています。
開口部は縦長の窓を採用していますが、外壁(スクラッチタイル)と軒下部分(モルタル)の仕上げを変える事で水平線を強調しています。外部だけでなく内部には庁舎時代のカウンターや貴賓室、市長室などが残されています。旧岡谷市役所庁舎は昭和初期に建てられた庁舎建築の遺構として貴重で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との理由から平成17年(2005)に国登録有形文化財に登録され、平成19年(2007)に経済産業省の近代化産業遺産に認定されています(岡谷市内に残る製糸関連の遺構15物件)。
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