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橋本政屋(諏訪湖・下諏訪町)概要: 橋本政屋は長野県諏訪郡下諏訪町高木に位置している古民家です。
橋本政屋は甲州街道の上諏訪宿と、下諏訪宿の中間に位置していた事から旅人や飛脚、運送業者等多くの人達が休憩や食事に利用し、御茶屋として大変賑った人気店でした。
屋号の由来は、初代長崎政衛門が大沢川の橋の下で店を構えていた事から「橋本政屋」と付けられたとされます。
店内では諏訪湖で取れた湖産物を中心に料亭料理を出す一方で、残ったアラなどで汁物を作り身分の分け隔てなく無料で振る舞いました。
特に甲州街道で飛脚や商人など運送業に携わった人達が行く先々で「橋本政屋」の味を伝えた為、宣伝効果となり瞬く間にその噂と味が広く伝えられ繁盛店になりました。
話しを聞いた高島藩(藩庁:高島城)の藩主も度々橋本政屋を訪れ、2階から諏訪湖を見下ろしながら料理に舌鼓をしたとの逸話が残っています。
それがこうじて店の当主は帯刀をしたまま高島城を大手門から登城する事が許されていたそうです。
明治時代に入り高島藩が廃藩となり高島城が廃城になると三の丸門、老松、老梅、石灯籠などが拝領された事からその関係性が窺えます。
三の丸門は切妻、桟瓦葺、幅を切り詰めて橋本政屋の表門として現存しています。
現在の橋本政屋の建物は江戸時代後期に建てられた建物で木造2階建て、切妻、鉄板葺(旧鉄平石葺)、平入り、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、2階正面には持ち送りで支えられた出格子、1階には銅製の洋風ランプが異彩を放っています。
主屋の屋根の上には"雀おどり"と呼ばれる棟飾りが印象的で、本来なら、本棟造と呼ばれる妻入りの格式の高い民家でよく見られますが、切妻、平入の民家には珍しく、橋本政屋の特徴の1つとなっています。
これは、橋本政屋は角地に位置し妻面側も道路に接している事から人目に付き易い事が遠因となっているのかも知れません。
主屋に隣接する袖蔵は土蔵造2階建、切妻、桟瓦葺、外壁は白漆喰仕上、腰壁は海鼠壁仕上げ。
橋本政屋の敷地間口が広く、主屋や袖蔵、旧高島城三の丸門だった表門が並び格式の高さと、今では珍しい青銅製の瀟洒な瓦斯灯(ガス灯)が見られるなど郷愁を感じさせてくれます。
特に袖蔵の入口周辺には入江長八一門が手懸けたという「亀」「龍」「鯉」の鏝絵が施されこれらに手を合わせると、これらの神獣から力が借りられるとして「力蔵」の別称があります。
因みに亀は「カ」、龍は「リ」、自分が手を合わせる事で「テ」、鯉の「コイ」に因み、力蔵を「カリテコイ」と読める事から、甲州街道を利用して長旅する人々は決まって橋本政屋の土蔵の前で手を合わせたと伝えられています。
【 参考:サイト 】
・ 公式ホームページ
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板
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