仁科盛政:概要

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概要・歴史・観光・見所
仁科盛政(松尾寺)

【 概 要 】−仁科盛政は仁科盛康の子供として生まれました。盛政の誕生年は不詳ですが、享禄元年(1528)に松尾寺(長野県安曇野市)を中興開基し薬師堂を造営している事から、この時は既に元服が済んでいた可能性が高いと思われます。筑摩県史によると天文12年(1543)に盛政、仁科系図によると天文16年(1547)に盛康が武田家に下ったとされます(仁科系図によると盛康が病気を患った為に盛政が代行したと記されています)。一方、神使御頭之日記によると天文17年(1548)に盛政の祖父に当たる仁科盛能は主家である小笠原長時に従い村上義清や藤沢頼親などと共に諏訪郡へ侵攻、その恩賞を巡り長時と対立し兵を引き上げたとあります。さらに、高白斎記によると天正19年(1550)7月15日に盛政と思われる仁科上野介が武田家の家臣駒井高白斎と交渉し武田家に出仕した旨が記されています。天正19年(1550)7月15日は仁科氏の主家にあたる小笠原長時の居城である林城が武田方に攻められ落城した日でもあります。

盛政が仁科家の家督を継いだ年も不詳ですが、父親である仁科盛康は天文23年(1554)に仁科神明宮(長野県大町市)の式年造営を行い、弘治2年(1556)には若一王子神社(長野県大町市)の社殿を造営している為、盛政の代行期間は一時的なもので、弘治2年(1556)以降に家督を継いだと思われます。一方、北安曇郡志によると天文23年(1554)に盛政が武田家に従い川中島に出陣、弘治元年(1555)に盛政が武田家に従い川中島に出陣し犀川合戦に参戦したと既に家督が譲られた体で記されています。又、一般的にな解釈としては永禄3年(1560)、上杉謙信が上洛から帰国した際に自分の太刀を持参し、臣従の意を表す儀式に参加した名簿「御太刀持参之衆」に名を連ねている「仁科殿」は盛政の事と推察されています。

甲陽軍鑑によると永禄4年(1561)の川中島の戦いの際、盛政は武田信玄に従い各地に従軍したものの、居城である森城(仁科城)の守備として残った家臣達が上杉謙信に寝返った事で、山県昌景を中心とした武田軍に攻められ森城は落城、盛政も捕縛され甲斐で自害させられたと記されています。

一方、生島足島神社(長野県上田市)には永禄10年(1567)に仁科盛政の花押と血判がある武田家に忠誠を誓う起請文が残されている事から、少なくとも永禄10年(1567)時点では健在だったと推察されます。結局、盛政の没年は判りませんが、武田信玄の5男盛信が盛政の娘を娶り仁科家の名跡を継ぎ、天正3年(1575)に入ってから諸役免許や知行安堵を発布している事実もあり、永禄10年(1567)〜天正3年(1575)の間に死没し平姓仁科氏は滅亡したと考えられます。

ただし、一族の一部が上杉家を頼り越後国に逃れたようで、天正10年(1582)に武田家と織田信長が倒れ北信濃4郡が上杉領になると上杉景勝が仁科盛直に安曇郡池田郷等(池田・滝沢・荻原・細野・松川・小塩郷)を与えています。しかし、同族の謀反により再び越後に戻り、景勝の命により松田姓の名跡を継ぎ武水別神社(長野県千曲市)の神官と八幡領の領主に復権、さらに子供である孫三郎は仁科惣領職が認められています。盛直は慶長3年(1598)に景勝の会津(福島県会津若松)移封に随行し1千5百石の家臣となり、米沢藩(山形県米沢市)移封にも随行しています。

仁科盛政が奉納した生島足島神社の起請文には前段に武田信玄への忠誠や、上杉謙信など敵方に寝返らない事、多くの家臣を引き連れて合戦に臨む事、武田信玄の悪評には同意しない事が述べられ、後段には全国的に著名な神々や神社、関東や甲州の神社、信濃国では諏訪大社、小野南北大明神(小野神社矢彦神社)、飯綱神社、戸隠神社、八幡神社(武水別神社?)に上段の述べた事を誓約し、もし破る事があれば天罰を被って、難病にとりつかれ、来世は無限地獄に落ちても構わないと宣誓しています。

松尾寺:写真
仁科盛政と縁がある松尾寺 仁科盛政と縁がある松尾寺 仁科盛政と縁がある松尾寺 仁科盛政と縁がある松尾寺
生島足島神社:写真
仁科盛政と縁がある生島足島神社 仁科盛政と縁がある生島足島神社 仁科盛政と縁がある生島足島神社 仁科盛政と縁がある生島足島神社



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