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信州大学繊維学部講堂(旧上田蚕糸専門学校講堂)概要: 信州大学繊維学部講堂は長野県上田市常田3丁目に位置している近代洋風建築です。
前身である上田蚕糸専門学校は明治43年(1910)に当地域が養蚕業や製糸業が盛んだった事から、その近代化を図る為の教育機関として創立されたもので、日本最初の蚕糸専門学校とされます。
当初は養蚕科と製糸科の2科で構成されていましたが、後に絹糸紡績科と繊維化学科、繊維農業科が増設され、太平洋戦争の最中の、昭和19年(1944)に校名を上田繊維専門学校に改めています。
昭和22年(1947)から独立の大学昇格を目指しましたが、否決され昭和24年(1949)に新制信州大学が発足すると、繊維学部として組み込まれ昭和26年(1951)に専門学校は廃止となっています。
旧上田蚕糸専門学校講堂は昭和4年(1929)に建てられた建物で、設計は文部省建築課長柴垣鼎太郎、施行は柳屋組が担っています。
構造は木造2階建て、切妻、瓦棒鉄板葺き、妻入り、建築面積357u、外壁は下見板張り、ペンキ仕上げ、ゴシック風の意匠。
内部には蚕糸に因んだ桑・繭・蛾などの彫刻が随所に施され、講堂天井は折上格天井、内壁は白漆喰仕上げ、床は寄木張り。
正面の玄関周りは前に張り出し大屋根と同じ切妻屋根を設け、三角形型の出窓、意匠化された方立、棟飾りなどで正面性を強調しています。
外壁の下見板張りも腰、壁、窓周り、軒下など張り方を変え、単調さを回避しより立体的に見せるような工夫が見られます。
平面は1階が講堂、天井は2階まで吹き抜け、2階正面と背面に控室、側面はギャラリーで構成されています。
旧上田蚕糸専門学校講堂は建築当初の姿を残し、現存する中・高等教育施設の中では屈指の建物として貴重な存在で「造形の規範となっているもの」との登録基準を満たしている事から平成10年(1998)に国登録有形文化財に登録されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-文化庁・長野県教育委員会・上田市教育委員会
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