荒神宮(上田市)概要: 荒神宮は長野県上田市諏訪形に鎮座している神社です。荒神宮の創建年は不詳ですが古くから火の神・かまどの神として広く信仰されていました。木曽義仲も崇敬していたとされ平家追討の為付近に陣を張った義仲は戦勝祈願をして家臣である今井蔵人豊成を永代保護奉仕を命じたと言われています(現在の宮司も今井姓で当時から脈々と義仲の命を守っているそうです)。伝承では義仲の子や巴御前も一時当社に匿われたとも言われ境内には義仲の重臣である今井兼平の墓と伝わる五輪塔も残っています。
歴代領主からも崇敬され上田藩(藩庁:上田城)の藩主となった真田家、仙石家、松平家から例祭には幣帛料を、元和元年(1615)には社領6石1升5合を寄進しています。
現在の荒神宮本殿は文化8年(1811)の火災で焼失後の文久3年(1863)に再建されたもので棟梁竹内八十吉、三間社流造、唐破風付き向拝、こけら葺、江戸時代後期の神社本殿建築によく見られる繊細で表現豊かな彫刻が建物全体に施されています。荒神宮本宮は江戸時代末期の神社本殿建築の遺構として貴重な事から昭和43年(1968)に上田市指定有形文化財に指定されています。荒神宮石造五輪塔は今井兼平の墓と伝わる鎌倉時代に制作されたもので、総高112cm、意匠に優れ、保存状態も良い事から昭和59年(1984)に上田市指定文化財に指定されています。祭神:建速須佐乃雄神、興津比古神、興津比売神。
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