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上田蚕種協業組合事務棟概要: 上田蚕種協業組合事務棟は長野県上田市常田に位置しています。
上田蚕種協業組合は上田地域が江戸時代以来、国内有数の良質な蚕種生産地だった事から、蚕糸絹業の技術と文化の承継を図る為に、大正5年(1916)に地元の蚕種家が出資し、上田蚕種株式会社として創業しました。
昭和16年(1941)に上田蚕種株式会社を解散し、蚕種協同組合上田社を設立したものの、昭和18年(1943)には日本蚕糸製造株式会社に統合されています。
太平洋戦争中には軍需工場に転用され為、本来の機能が発揮出来ませんでしたが、昭和21年(1946)に上田蚕種協同組合が設立しています。
さらに、昭和25年(1950)に上田蚕種事業協同組合に変更、昭和27年(1952)から蚕種生産を再開しています。
その後は長野県小諸出張所や茨城県下館出張所、茨城県土浦出張所、群馬県高崎出張所、山梨県甲府出張所、群馬県伊勢崎出張所を次々と開設しています。
昭和45年(1970)に上田蚕種協業組合に改変しましたが、その後は生糸関連産業の衰退により出張所の閉鎖や合併が相次いでいます。
上田蚕種協業組合事務棟の建物は大正6年(1917)に建てられた近代洋風建築で、木造2階建て、寄棟、桟瓦葺、建築面積764u。
外壁は下見板張り、ペンキ仕上げを基調として軒下廻りを白漆喰で仕上げ、腰壁は板張りの調子を変える事で単調さを解消しています。
2階正面開口部上部には三角破風(ペディメント)を設え、玄関庇はむくりを付け、意匠を施した方立てを採用、蚕のモニュメントを施すなど正面性を強調しています。
正面は左右対称、平面はT字形、間取りは1階が事務室と応接間、二階は講堂で構成されています。
敷地奥には検査棟や食堂棟、催青棟、冷蔵棟、採卵棟などの建物が軒を連ね、当時の様子を伝えています。
上田蚕種協業組合事務棟は現在も建築当初からほとんど手が加えられていなく近代製糸業の遺構として貴重な存在で「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との登録基準を満たしている事から平成9年(1997)に国登録有形文化財に登録されています。
又、平成19年(2007)には経済産業省による近代化産業遺産に登録されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-文化庁・長野県教育委員会・上田市教育委員会
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